from KUMAZAKI ティーブレンダーより
2022.12.31
ティーブレンダーの熊崎です。
2022年も紅茶のご用命をいただき、ありがとうございます。
今年もまた、世界の情勢には大きなうねりが新たに訪れました。
しかし悲観的に捉えてばかりでは良いことなど全くありませんので、皆それぞれが「しっかりと自分を持って」、できるだけ社会に関心を向けつつ先ずは身近なところから、どんなささいなことであっても楽しく建設的に取り組む意識、をより高めることが大切だと思います。
いきなり何だか偉そうな意見ではありますが、これを「紅茶(お茶)を楽しむ」ことに置き換えてみると、弊社のお客さま方には深くご共感いただけるのではないでしょうか?
ここで熊崎が知っている紅茶(お茶)好きな方々の日常を、ちょっと振り返ってみましょう……
◇自分自身や大切な方との時間をより豊かなものにするため、紅茶(とお菓子)をいただく。
◇いまの気分や状況、お菓子などと合うように、茶葉の種類や、淹れ方、しつらえ(食器など)を、自分の気持ちと過去の経験に向き合って選ぶ。
◇足りないと感じた要素は、ないものねだりをせず場にあるものを見立てて遊ぶ。
◇後日、より自分好みの空間(食器、道具、家具、さらには音楽や映像なども)を充実させるための取り組み(仕事、買い物、情報収集など)をする。
◇日々、茶葉やモノを入手して楽しむことができる状況に感謝し、より良い未来にするための行動(応援購買、環境配慮、各種の交流や活動参加など)をする。
◇そして、疲れたり迷ったり、自分自身や大切な方を労いたくなったら→(冒頭に戻る)。
いかがでしょうか?
こういった生活スタイルに「心地よさや価値を強く感じる」方が引き寄せられ、それぞれがご自身の日常に合ったかたちで、上手に取り入れることで定着し発展してきたのが「喫茶」という魅力的な文化である……と、熊崎は学生時代にそう感じて「紅茶(お茶)を楽しむこと」を仕事に選び、その後長年続けるなかで、これを証明する多くの幸せな実例に触れてきました。
近年、そして今年のような不穏な空気が世界にあるとき、このような「ティータイムの価値」を理解されている皆さまの、日々のさまざまな行動ひとつひとつが、社会生活環境、ひいてはご自身の人生をより良く豊かにしてゆくものと信じています。
熊崎にできることといえば、皆さまの「喫茶」の選択肢をより拡げられるように、さまざまに特徴的な風味の茶葉を調合してご提案しつづける、ということぐらいですが、長年多くの方にご愛飲いただき、またそれぞれの日常での楽しみ方をSNSやお手紙で拝見する日々を過ごすなかで、この茶縁に感謝しつつ来年も次の製品づくりに努める所存です。
大きなうねりといえば、英国の女王陛下も本年この世を去られました。世界の紅茶文化を研究するうえでも、「ヴィクトリア時代」とならんで今後「エリザベス二世時代」という時代区分が設けられることは間違いないところですが、この話題については機会を改めまして、いまはただそのご遺徳を偲ばせていただきます。
さて、16年目のフィーユ・ブルーも定番品に加えて、いくつかの新たなブレンドティーをご用意させていただきました。それぞれのブレンドについては弊社ホームページにて新発売の都度、ご紹介させていただいておりますが、新たなシリーズとして12月に発売開始となりました『ミッフィー スイートティーコレクション』の3種についてひとこと申し添えさせていただきます。
こちらは以前からずっと準備を進めていた紅茶で、何とか卯年の前にお披露目することができたものの、ここに至る道のりは平坦なものではありませんでした。キャラクターを支える世界観や、皆さまが作品を楽しまれている背景について熟考し、そこに寄り添って「ティータイム」という出口に導くという姿勢をつねづね大切にしている弊社として、さまざまな要素をブレンドティーに結実させていくため真摯に茶葉と向き合っての試行錯誤があり、デザインと製品化面でも努力の日々が続きました。その甲斐あって、すでにご評価をいただいている『SNOOTEA』(軸となるアメリカの食文化への意識)とは違ったコンセプト(ヨーロピアン・モダンの要素)での、個性あるブレンド展開の流れを構築することができました。今後のラインナップの充実や、新たなティースタイルのご提案につなげるべく研究と試作を続けておりますので、楽しみにしつつ、応援いただければ幸いです。
ともあれ、日々皆さまのお手元へと商品を円滑にお届けできているのは、スタッフの努力と、協力会社さまのご助力の賜物として、この場でブレンダーから関係各位に改めて御礼申し上げます。
そして何より、皆さまのご理解とご愛顧によって『フィーユ・ブルー』が支えられていることに、心から感謝しております。
来年も、皆さまの日常をちょっとだけ豊かにできるように、そして楽しみ方のご提案ができるように、引き続き努力して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆さま、“おいしくたのしく”お茶を飲みながら、
良い年をお迎えくださいませ!