ミッフィーの紅茶としての美味しさとは?<開発コンセプト編>
2023.07.18
2022年12月に最初のミッフィースイートティーコレクションを発売してからおよそ半年。
ついに缶の製品として、ミッフィースイートティーコレクションのために開発した「ミッフィーフラワーアッサムティー」と「ミッフィーフラワーアールグレイティー」が完成しました。
パッケージはもちろん、ミッフィーの紅茶として、ふさわしい美味しさについては、スタンドパックの「フラワーアッサムティー」「アップルティー」「キャラメルティー」の開発時も含め、どういった味わいにするのか、どんなラインナップにするのか、ブレンドに対しての考え方など、打ち合わせと試作を重ねて開発を進めました。
こちらのコラムでは缶となった2ブレンド“フラワーティーシリーズ”について、ティーブレンダーからご紹介します。
皆さんと同じように幼い頃から身近な絵本として親しんできた、小さなうさぎの女の子「ミッフィー」に象徴される、あたたかな日常の物語を感じさせるようなティータイムをお手元で実現していただきたい、という思いでミッフィーティーコレクションはブレンドしています。
缶の製品として企画されていたフラワーティーシリーズの開発にあたっては、ミッフィーの絵本にも通じるような“点々と可憐な花が咲く野原のような穏やかさ”といった共通のコンセプトを持たせようというアイディアが初期段階から思い浮かんでいました。
最初に浮かんだイメージが製品化した今回のブレンドに繋がっています。
風味はもちろん、茶葉から得られる視覚的な印象など、皆様にも感じていただけるように仕上がっていると思います。
ブレンドするにあたり、コラボレーションでブレンドを開発する場合などは方針から組み立てていきました。
◇ 伝統的な製法による紅茶葉の味わいを主軸にすること。
◇ どこか懐かしい、ほのかな“甘さ※”を感じる、穏やかな風味にまとめること。
※糖分ではなく、甘い思い出、という表現が示すような感情。
◇ 現代の生活スタイルや、お菓子・軽食にみられる嗜好にも合わせやすい飲み口に仕上げること。
◇ ブルーナさんが掲げ続けた「シンプル」という概念を、味覚の世界においても、多角的に検証して表現すること。
この4つが内包されたブレンドになるように、ミッフィースイートティーコレクションのブレンドについて開発を進めていきました。
この4つのテーマ設定の背景には、ブレンダーとして以前から注目していた、ひとつの潮流があります。
ブルーナさんの創作の場であり、作品が展開される起点となった20世紀後半のオランダと、隣接する地域である北欧・中欧の生活文化には、日本をはじめ現代の日常生活で好まれ、参考にされている要素が多々見られます。
シンプルで上質、そしてスタイリッシュ。北欧デザインの家具や食器、ドイツ語圏が主導してきた、オーガニックやエコロジーの概念を取り入れる安心・安全のライフスタイルなど、改めて考えてみれば皆さまもすぐ思い当たる、ほっとする穏やかな「何か」があります。
ブルーナさんのデザインからも、こういった「何か」が自分の中に湧き上がってくることを実感します。それは多くの方も感じておられるようで、ミッフィーというアイコンが取り入れられたさまざまなグッズがいま大人気ですし、同時にブルーナさんの絵本は、大人でもインテリアやちょっとした癒しのアイテムとして親しまれており、版を重ねています。このシンプルでカラフル、考え抜かれた構成は、もちろん、純粋な幼児や児童の心にも、深く刻まれ続ける存在であり、このスタイルが人生に与える「何ともいえない穏やかな安堵感」は、自然と後世に伝わっていくものと確信できます。
今回、こういった「良さ」をみならって、ティータイムを穏やかに楽しみ、ほっとして次に進めるようにするようなブレンドティーを目指しました。
もちろん茶葉の調合には、複雑なテクニックを取り入れている部分もありますが、結果として、それがシンプルに、ひと続きのものとして感じられるようにと、心を配って風味を整えています。
「ミッフィー スイート ティーコレクション」の各ブレンドを、ブルーナさんの絵本を大人が手に取るように気兼ねなく入れて味わっていただければ、そして穏やかな気持ちに包まれていただければ、ブレンダーとしては願いがかなったことになります。
フラワーティーシリーズはミッフィーの世界観に合わせ、作り上げたブレンドティーです。
厳選した茶葉に可憐な花やハーブをブレンドし、穏やかで優しい味わいを作り出しました。
紅茶の美味しさを存分に味わっていただけるよう、吟味したアッサム紅茶に、可憐な色合いのエルダーフラワーなどの花やマーシュマロウを加えました。
厳選した紅茶葉にコーンフラワーやヒースの花をブレンドし、ベルガモットフレーバーで仕上げました。爽やかで穏やかな味わいです。
1927年、オランダユト・レヒト生まれ。
絵本作家・グラフィックデザイナーとして世界的に活躍。
その温かみのある手描きの線、鮮やかな色合い、観るものの想像力に訴えるシンプルで大胆な構成の作品で、世界中の子供から大人まで幅広く愛されている。約60年にわたる創作活動を経て、120作を超える絵本を刊行。全世界で50カ国語以上に翻訳され、8500万部以上のロングセラーとなる。