ブレンドで目指した南国らしい美味しさ
2018.07.27
南国の果物特有の甘酸っぱい香りで気持ちが浮き立つ、今年の夏の新作「SNOOTEAハワイアンブレンド」。
フルーツの香りを乗せるだけでは完成しない、ブレンドの仕掛けや狙いをティーブレンダー熊崎俊太郎よりお伝えします。
©Peanuts
南国の果物“リリコイ”の香りをメインに
太陽を一杯に浴び、肥沃な土壌でうまれたエネルギーの塊のような南国の果物に共通するのは、心地よい甘酸っぱさ。暑い国では、その酸味や甘みが気温の高さによる消耗を補い、体調を整えてくれます。
なかでも清涼感のある酸味を軸に、ほのかな甘みが加わることで調和のとれた風味が印象的なのが、パッションフルーツです。現在は世界中にさまざまな品種が流通していますが、ハワイでは“リリコイ”と呼ばれ、非常にポピュラーなフルーツとして愛されています。今夏はこの“リリコイ”の香りをフューチャーし、紅茶の風味にのせて楽しんでいただけるようブレンドしました。
リゾート地で過ごすような心地よさを
ブレンドで表現
今回のブレンドでは“リリコイ”のフルーティーな香りをストレートに感じてもらいたいと考えました。
ただフルーツの香りだけでは、紅茶の風味と果実香がバラバラに感じられ、南国で過ごすひとときをイメージさせるためには弱い印象になってしまいます。
そこでローズエッセンスを加え、紅茶の優雅な香りと境目なく融合するようにブレンドし、果実香が浮き上がらないようにバランスをとりました。さらにハワイの青い海と空を背景にした賑やかなビーチや緑ゆたかな山なみ、ショッピングモール、リゾートホテルなどがもつ華やかで明るい雰囲気を、ほのかなローズの香気成分によって高めるようにしています。
茶葉のブレンドのベースは
フルーツと好相性のセイロン紅茶
南国のリゾート地を感じさせて楽しむのにふさわしく、スリランカ ディンブラ地区の複数の茶園産で、特に酸味のあるフルーツと相性の良いタイプを選び、飲みやすくすっきりとした風味に組み立てました。“リリコイ”の香りをひきたてるようハーブのローズヒップを加え、ローズレッドとアッサム紅茶でバランスをとり、調和のとれた複雑さをもたせました。
さらに、ハワイ諸島固有のハーブ“ママキ”を使用することで、これまでにない、かすかにそよぐ野の風のような不思議な余韻を与えています。“ママキ”はハワイ諸島では先住民が万能薬として心身を浄化する飲料に用いてきた歴史があり、近年注目されているハーブのひとつでもあります。
アイスティーももちろんおすすめですが、冷房のきいた屋内でのホットティーは香り立ちもより強く、温度差による疲れも癒してくれるでしょう。心地よい酸味と甘みのバランスがよい「ハワイアンブレンド」は暑い季節にこそ美味しいブレンドです。どうぞお楽しみください。
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※リリコイ(パッションフルーツ)は香料で使用しています。