紅茶を楽しむ10週間
旅先の水について、少し詳しく
2025.09.20
紅茶にとって水は大切な要素です。
「旅先で楽しむ紅茶」企画では“いつもと違う土地、違う景色、違う水でいれる、いつもの紅茶”を体感してみましょうという提案をしました。
フィーユ・ブルーの紅茶は国内ならどこで飲んでもおいしくお楽しみいただけますが、場所によって水質、硬度は変わりますので、その土地の食材と同じように、味わいの違いを感じることがあります。
旅先で紅茶をいれる際のポイントをフィーユ・ブルー マスターティーブレンダー 熊崎俊太郎 に聞いてみました。
2025年秋の企画紅茶で秋を楽しむ10週間「旅先で楽しむ紅茶」の補足コラムとしてお届けします。
フィーユ・ブルーのブレンドティーは、質の異なる飲料水を使っても、それぞれの“個性”や“印象”は変わらないように、と配慮して設計されています。(もちろん、海外の極端にミネラル分の多い水や、ほのかに潮気のある海辺の水、とびきり清涼な山の水などを使った場合はその限りではありませんが…。)
水質については、例えば関東地方だからこう、近畿地方だからこう、というような地域差で説明できるものではなく、紅茶のニュアンスにとっては、大きな河川から採水する平野、渓谷や貯水池から採水する山地、さらには訪問する直前が快晴続き、大雨続き、といった変動が大きな要素となります。
もちろん、ペットボトルの市販水などを現地で購入、あるいは持参して使えば、全国どこでも同じ風に抽出することができるわけですが、せっかくの《旅先で楽しむ紅茶》ということですから、その土地や気象での微妙な変動を楽しんでみてはいかがでしょうか?
具体的には、別に計測などしなくても、一度いれてみる、あるいは抽出中に軽くかき混ぜて少しだけ飲んでみれば、ある程度、普段との微妙な差異には気付けるものなので、とにかく味見をしてみましょう。
その結果が、いつもより少し渋め、あるいは味が強めということであれば、普段より水の硬度が低いので紅茶成分の抽出速度が速い、と推測できますから、渋かった場合にはお湯を足して(少し薄める)、普段より軽い喉越しと同時により深まった舌触りなどの味わいを楽しむか、またはごくごく少量のお砂糖を溶かして(煮物の隠し味のように)、飲み口をまろやかにしつつ全体的な茶葉の旨みを、普段よりややメリハリのついた形で味わう、というのも一興です。
逆にいつもより風味が軽め、さらには弱め、ということであれば、普段より水の硬度が高いので紅茶成分の抽出速度が遅い、と推測できますから、ティーバッグをもう少しそのまま漬けておき、いつもと同じ風味になるまで蒸らし時間を長くする、あるいは早々に引き上げて、曇りガラスや霧の向こうの景色を幻想的に楽しむような、ふんわりとした味わいを感じてみる、さらには普段とは逆に長く漬けて(お好みで湯や砂糖も加えて)、普段感じられなかったブレンドの細部の複雑な風味の仕掛けを“細かい彫刻をルーペで鑑賞するように”楽しんでお過ごしください。
また、紅茶の液色がはっきりと濃いか薄い、香り立ちが強いか弱い、という場合には、酸性度やアルカリ性度が普段と異なる可能性が高いので、やはり蒸らし時間や湯量を普段とは変えて、その日のご気分にあった一杯となるように少し意識してご調整いただければ、と思います。
大切なことは、ブレンドごとの特徴などは水質で大きく変わってしまわないように設計しているものの、普段と違う土地の水を使ってみた場合に、微妙な味わいの差と出会えることがある、という点です。
あまり難しく考えず、せっかく旅で日常と違う場に身を置くことで感性が研ぎ澄まされたこの瞬間に、紅茶をいれて、今日の思い出を振り返るひと時のお供に“いつもと違った体験”として記憶に残していただければ幸いです。
ティーブレンダー 熊崎俊太郎
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販売期間:2025年9月19日18時から9月28日まで。