紅茶型録ーTEA Catalogue

この連載ではティーブレンダー 熊崎俊太郎が生み出してきた数多のブレンドティーから気まぐれにひとつを挙げ、そのとき考えていたことともに、ブレンドについてのあれこれを私家版の≪紅茶型録≫としてお伝えしていきます。

フィーユ・ブルー ティーブレンダー:S.Kumazaki

プロローグ/ティーカタログ②

生み出してきたブレンドティーを振り返り
自らの紅茶型録に

年月が経ち、散々に紅茶を飲み倒し、あげくの「ティーブレンダー」となって日々を過ごす現在だが、ちょっとこのあたりで、万事三日坊主の自分にも続けることができた、ほぼ唯一のことについて、その成果物を通してカタログ的に振り返ってみようと思う。

カタログ……自分が子供の頃は「型録」と書かれているのをよく見かけた。外来語の当て字であるが、翻訳語も含めて、近代にはこのように字面からも意味が連想されるセンスの良い熟語がたくさん生まれている。こういう文化はとても好きだし、何故だかホッとする。
興味のある方はぜひ≪カタログ≫という言葉の定義と歴史をあたっていただきたい。現代的な用法でいえば、特定の目的で作られた、主として営業案内となる説明付きの最新商品一覧、ということになる。だから「カタログ落ち」という言葉が意味を持つし、新旧のカタログを比較することで「商品やメーカーの変遷」、ひいては時代背景も知ることができる。

しかし、このコラムでは、ビジネスなどで使われるカタログとしてではなく、語源であるギリシャ語の「katalogos(数え尽くすこと)」に近い意図で、この言葉を使ってみたい。自分が送り出しきたブレンドティーたちを時系列は無視して気まぐれに挙げ、併せてそのとき考えていたことの断片をすくい上げ、私家版≪紅茶型録≫のようなものを目指してみたいと思う。
ところが資料の大半はアトリエに埋もれてしまっているので、写真や文章は発掘次第おいおい追加修正、そして、せっかく現代に生きているからには web の強みを活かしハイパーテキスト化したいと考えている。
まあ、過去の自分に説教するような要素がかなりあるので、いつもの商品説明とは口調もガラリと変わったものになること、ご理解のうえご笑覧いただきたい。

ティーブレンダー 熊崎俊太郎
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