チョコレートと紅茶の融合を目指した紅茶
2021.12.21
テ・ショコラ <Thé chocolat>は15周年を迎えたフィーユ・ブルー、今冬のブレンドです。本ブレンドでは今までにない、チョコレートと紅茶の本格的な融合を目指しました。
紅茶で表したのは、甘いだけではないチョコレートの香ばしさやほろ苦さ、奥に感じる少しばかりの酸味。あらためてチョコレートの本質的な美味しさへの気づきにもなるような味わいをもたせています。
ココアでも、チョコレートドリンクでもなく、しっかりとチョコレートは感じるのに、最後に紅茶に帰結する味わいは、まさにフィーユ・ブルーだけの絶妙なバランス。
チョコレートと合わせる紅茶「パルフェタムール」に次ぐ、チョコレートとは何か…を考えた紅茶になりました。
テ・ショコラはチョコレートと相性のよいものとのペアリングが楽しい紅茶でもあります。ぜひ、皆さまもお好みの組み合わせを見つけてください。
このコラムではペアリングやアレンジのヒントとなるよう、ティーブレンダーからブレンドに対する思いやしかけをお伝えします。
チョコレートは、チョコ味のケーキやアイスクリーム、トッピングのシロップといった形でスイーツとしても世界的に親しまれており、ココアやホットチョコレートなど飲料としても長い歴史を持っていますが、近年、スーパーフードとしての面からも認知されつつあるカカオニブ(豆部分)や、ハーブティーとしての利用が目立ってきたカカオシェル(外皮部分)など、「カカオ豆」そのものにも関心が高まり、加えてこれまでは隠し味的に使われていた料理の世界でも、食材として取り上げる考え方が根付いてきました。
フィーユ・ブルーでは、創立時に開発し、この15年で愛される定番商品に育った「パルフェタムール」が、スイーツとしてのチョコレートとのペアリングに極めて適したブレンドコンセプトを持っており、これまで『チョコレートと紅茶』というテーマでコラムなどで解説もしています。
コラム:フィーユ・ブルー 「パルフェタムール」チョコレートと溶け合うパルフェタムールの秘密
相性が良いのであれば当然、次はブレンドに取り込んで使ってみたくもなりますし、実際、チョコレートティーについても長年、勉強と試作は行っていましたが、これまで踏み切らなかったのは、手にしたことのある既製品の多くが、単純にチョコレートの香りがする紅茶、という範疇から出ていないように感じられ、何より市場での反応をみると、チョコレートが持つ強烈な先入観から「変わり種」という扱いがほとんどで、まだ時期尚早と思える難しさを感じていたからでした。
しかし、ここにきて、先ほど挙げたようにカカオの使われ方も広がり、甘くないカカオそのものへの関心が高まり、茶系飲料についても様々なチャレンジが歓迎される流れが訪れたように思い、15周年のこの冬にパルフェタムールとは別のアプローチでチョコレートと紅茶について考えたブレンドティーを販売することとし、「チョコレート風味の紅茶」の開発をスタートしました。
フィーユ・ブルーのティーブレンダーとして常々掲げているブレンドの着地点、基本命題となるのは①茶葉感の尊重、②副材料の意義、③素材感の調和です。それらをクリアするため、まずはカカオ豆そのものについて理解を深めるため、産地、部位、加工方法など、様々なタイプのものを取り寄せて味わってみました。
チョコレートとは、カカオ豆を原料として得られるカカオマス、ココアバター、ココアパウダーなどを使った加工食品です。検討の結果、今回はハーブティーの素材として注目されているカカオシェルをあえて候補から外して副材料はカカオニブに絞ることにし、世界各地のものを比較したうえで、日本では市販のチョコレート菓子でなじみの深いテイストのガーナ産を選びました。
また、チョコレートの風味における鍵は「酸味」であると以前より強く感じていたため、紅茶葉の風味とカカオが出会ったときに起こりやすい酸味の強調され方が違和感に繋がらないよう、先に決定したカカオニブとの相性をみつつ、複数のアッサムを軸に、スリランカやケニア系統の茶葉を使って、ベースとなるブレンドティーを組み立てました。
試作も繰り返し、長時間蒸らしてカカオの風味がやや過剰となっても、紅茶の印象や全体的な飲み口の良さが失われないようなバランスに決定していますので、蒸らし時間の違いでカカオのコク、酸味、茶葉の味わいなどからさまざまな美味しさを楽しんでいただけるはずです。
「テ・ショコラ」は“カカオティー”ではなく“チョコレートティー”がテーマです。仕上げに使用するチョコレートフレーバーの香調については、他の選択肢はあったものの板チョコを溶かしたときの香調を軸にブレンドを行いました。
こうして完成したチョコレート風味の紅茶「テ・ショコラ」、単体ならば、サラミやドライフルーツなど、ワインやウィスキーに合うおつまみと一緒に大人向けの飲料としても味わっていただけますし、チョコシロップをかけて美味しそうなフード、スイーツ、フルーツ全般とも好相性です。そしてミルクやリキュール、スパイスなどを使ったアレンジでもかなり楽しめるようになっていますので、話題のティーモクテルのベースにもぜひご活用ください。
チョコレートに合う紅茶として「パルフェタムール」を創業時に開発し、15周年の今、チョコレートの風味を活かす紅茶が完成しました。新しいチョコレートの美味しさとの出会いとなれば幸いです。
ティーブレンダー 熊崎俊太郎
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紅茶で表したのは、甘いだけではないチョコレートの香ばしさやほろ苦さ、奥に感じる少しばかりの酸味。あらためてチョコレートの本質的な美味しさへの気づきにもなるような味わいをもたせました。
選別、粉砕、焙煎したカカオ豆であるカカオニブも加えたことで、抽出時間による風味の変化も楽しい紅茶です。カカオのほろ苦さと紅茶のコクをストレートで味わうもよし、レンチンミルクティーでカカオの味わいをさらに抽出したショコラミルクティーを楽しむもよし、これまでとまた違う紅茶遊びができそうなブレンドティーになりました。
缶のロゴはこれまでのブルーより、より深く濃い青、ミッドナイトブルーに。