日々のちょっとした楽しみ・・・和菓子と紅茶

紅茶で和菓子の魅力を再発見

2019.10.04

和菓子をいただくとき、日本茶を合わせることが多いかと思いますが、繊細につくられた和菓子を紅茶でいただくことで、新鮮な美味しさを楽しむことができるのはもちろん、これまで気づかなかったお互いの風味の隠れた特徴をしることもできます。今回はおすすめの組み合わせをご紹介します。

特別なダージリンを飲むときには上質な和三盆の干菓子で

ダージリンは紅茶のシャンパンとも呼ばれ、シーズンによってもその繊細な味わいは異なりますが、その風味をより深く、細かく味わっていくためのお伴としては、上質な和三盆をそのまま感じられる干菓子がおすすめです。
バターの風味やクリームの味わいと合わせて、紅茶との調和を感じるのも楽しいものですが、茶葉自体の風味の繊細な部分を感じ取りたいときには、ぜひ上質な和三盆の干菓子を試してみてください。
なかでもファーストフラッシュ（春の一番摘み茶）を、日本茶のようにじっくり蒸らして香りと風味をしっかり出し、味わう時にはとくにおすすめです。ダージリンの土地の力をより味わうことができ、ふわっと甘い和三盆のやさしさが、一層美味しく感じられるはずです。
セカンドフラッシュ（初夏の二番摘み茶）は、独特のふくよかさが出てくるので、麩饅頭や季節の生菓子などもよく合います。
フィーユ・ブル―のダージリンはファーストフラッシュ、セカンドフラッシュの両方のよさを引き出しているので、干菓子にも麩饅頭にもぴったり。特有の渋みの奥に隠れた綿あめのような甘さも、より感じていただけると思います。
このほか、季節の栗かのこや、甘露煮などの栗の和菓子もダージリンの香味は相性がよく楽しめます。また、軽快で歯ごたえのよいあられなども美味しくいただけます。

黒糖のまったりとした濃い甘さにはアッサム系を

黒糖の強い個性には、アッサムの深いコクがよく合います。
たとえば、黒糖餡の最中やカリントウなどには、アッサム紅茶をベースにした「ロイヤルブレンド」「アッサムブレンド」がおすすめです。
お互いがもつ強さがほどよく調和し、黒糖の甘さがくどくならず、食べやすくもなり、一層美味しく感じられます。この場合はぜひストレートで。
秋にたくさん出てくるサツマイモ系やカボチャ系のほっこりした和菓子にもこちらがおすすめです。
カボチャ系ならばミルクティーがよく合います。
また、どら焼きやたい焼きなど粉系の生地に合わせたい場合には「ブレックファースト」、すっきりと食べたい場合には「セイロン」もそれぞれの素材感を引き立てるので、合わせやすいブレンドです。

フレーバードティーでの意外な美味しさの発見

日本茶の代わりのように和菓子と合わせるだけでなく、フレーバードティーでも組み合わせ方次第で、驚きのある美味しさを見つけることができます。
お芋系のほっとした甘さのあるお菓子にはアッサム系の紅茶がよく合うので、ロイヤルブレンドのほかに、香ばしい甘さのキャラメルでもその特徴を堪能できるでしょう。和菓子でも洋風の要素が入っているコンビニ系の和菓子にはよく合います。
特に面白いのは香りの要素に和菓子の素材があわさってくる時の味わいの変化です。
ニッキを使った黄金芋や八つ橋などは、シナモンを隠し味としてブレンドしている「パルフェタムール」がとてもよく合います。お菓子のニッキと、パルフェタムールのシナモンが調和して、どちらも
マイルドにいただきやすくなります。いつも飲んでいるパルフェタムールのシナモン以外の構成要素が浮き立ってくるような不思議な美味しさです。
イチゴ大福のようなフレッシュなフルーツの入った和菓子には意外にも「マスカット」が合ったり、こし餡の和菓子には「パヴァーヌ」があんみつの杏のような役割を果たし、美味しくなったりと、面白い発見がありますので、お試しください。

和菓子と紅茶。一見遠いような印象をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、気楽に毎日のおやつタイムに合わせてみてはいかがでしょうか。