初心者の方にまずおすすめしたいのは、アッサム、ダージリン、セイロンの3種類です。
共通して感じていただけるのは、文字通り「紅茶」らしい香りと美味しさですが、毎日さまざまな場面で楽しめるシンプルさのなかに、それぞれの個性があります。

アッサム(写真右）は、インドの緑豊かなアッサム平原で採れる茶葉。まろやかなコクがあり、色あいも濃い赤茶色です。ワインで例えると、ドシンと重めの料理にも合う“赤ワイン”でしょうか。

ダージリン（写真左）もインドの紅茶ですが、こちらは涼しげなダージリン高原で採れる茶葉。アッサムと違い、すっきりとした味わいで、色あいも薄いオレンジ色が特徴です。“白ワイン”のようにあっさりとした料理やスイーツに合います。ふんわりとした甘みを持つ優しい味の和菓子にも、ダージリンは好相性です。

セイロン（写真中央）は、赤道近くのセイロン島（スリランカ）で採れる茶葉。飲みやすさ、まろやかさ、香りとコクのバランスが取れており、色あいは明るい紅色です。“ロゼワイン”のように、色々な食べものに合わせやすく、万能タイプといえます。

ここではワインを例えに出しましたが、シンプルな風味の紅茶でも、このように使い分けることで、一緒に召し上がる料理やスイーツが、より一層おいしく感じることでしょう。

いかがでしょうか？　ぜひ一度、カップを3つ並べて、この3種類を同時に飲み比べてみてください。その経験があれば、あっという間にその日の気分で紅茶の種類を自在に選んで楽しめるようになりますよ。


それでは、この3種類の紅茶と食べ物の代表的な相性を、もう少し解説しましょう。

アッサムのまろやかなコクはバターの香りの焼き菓子とよく合います。ミルクティーにしても深みのある美味しさを楽しめます。
キャラメル風味のクッキーであれば、香ばしさとアッサムのほどよい甘みがマッチしますよ。また、アッサムはクリームたっぷりの洋菓子などにも合います。

ミルクティーが美味しい紅茶は生クリームとも好相性なので、ケーキと合わせるのに迷ったときにはそれを基準にするとよいでしょう。

ほどよく上品な渋みも特徴のダージリンには上質な砂糖の甘さを合わせると、双方のおいしさが際立ちます。
紅茶に和菓子とは意外なようですが、ふんわりとした甘みを持つ優しい味の和菓子と、ダージリンはとても相性が良いのです。

紅茶のシャンパンとも呼ばれるダージリンは、3月から11月にかけて収穫されますが、茶葉を摘むシーズンによってさまざまな味わいが楽しめるのも特徴です（フィーユ・ブルーでは、春から夏の茶葉をバランスよくブレンドしています）。

セイロンのシンプルで穏やかな味わいは、ミルクやレモンで楽しむだけでなく、飲みやすいアイスティーを作ったり、フルーツやお酒を加えるなどのアレンジにも使いやすく、包容力のある紅茶と言えるでしょう。
セイロンはさまざまな料理やお菓子に合いますが、特にフルーツの味わいには好相性です。
そして、生のフルーツだけでなく、プルーンなどのドライフルーツやゼリーなどでも、甘味と酸味をうまく包み込み、まとめ上げてくれます。

人気のフレッシュフルーツティーなどに挑戦したい場合は、セイロンが一番合わせやすいと思います。