華やかで複雑な“香り”の向こうに見え隠れする、「茶」の葉がもたらす“旨み”。きわめて現代的な香気と、古典的な味わいが交錯する一杯。それは、カップの中に表現された、「時代」と「時代」を繋ぐもの。『アンテルメッゾ』(=間奏曲)と名付けたブレンドをお届けします。

アンテルメッゾ その間にあるもの② ティーブレンダーより

ブレンドのテーマ、そしてブレンドの論法

「アンテルメッゾ(仏)」=「間奏曲(日)」、「インテルメッツォ(英)」
楽曲(楽章)の間に演奏する、経過的な楽曲の総称。オペラなどの劇において、幕間や小休止のところで演奏される楽曲(アントラクト)も間奏曲の概念に含まれる。
なお「間奏」とはひとつの楽曲のなかで、歌唱や独奏の休止部分の演奏をさす言葉である。

心地よく流麗で、華やかな風味に仕上げた今回のブレンド、楽曲に例えての私のイメージとしては、「カヴァレリア・ルスティカーナ(マスカーニ)」などが近い雰囲気を持っているでしょうか。

今回も、かなり素材由来の情報量が多いブレンドとなっていますが、まずは、直感で全体を受け止めて味わっていただければ幸いです。

少しだけ香りに意識を向ければ、ゴージャスな花束のような良い香りと、そしてほのかにフルーツの甘くて何処かすっきりとした香り。
少しだけ味わいに意識を向ければ、ダージリン紅茶に代表されるような、新緑を思わせる味わいと、アッサム紅茶に代表されるような、甘く深いコクのある味わい。といった要素の存在がまず感じられるのではないでしょうか。
そして、その間にある何かを、感じていただき、寛ぎのティータイムをお過ごしいただければとても嬉しいです。

しかし、何事においても、検証や分析、その成立意図を考える楽しみというものがあるのも事実。
これまでも「フーガ」(2018)、「10~Jyu」(2016)、「ラルジュ」(2014)、「ヴァリアシオン」(2012)などの発売時に、ブレンドの背景を少々お話しさせていただきましたが、今回も、少しだけ制作者から発信をさせていただきます。

「アンテルメッゾ」には、ブレンダーとして「紅茶の現在を考える」、というテーマを内包させたつもりです。

そのテーマを、皆さまとこっそりわかちあうべく、ブレンドの論法として、異なる要素を一杯のなかに並立させ、その繋がりの間に何かを感じていただけるような組み立てを意図して行いました。

さらに、それを複数の様相(産地、生育高度、製法、原茶、副材料、仕上げ)において重なりあうように配することで、より多角的に、「現在」を感じる契機となるようにという狙いをもって素材を構成しています。

<次回>
ティーブレンダー 熊崎俊太郎より、このテーマを表現するために用いた仕掛け、飲み方についてお届けします。

<販売について>
5月16日より販売開始