「紅茶の、紅茶らしさ」がしみじみ味わえると同時に、普段はご自分のなかに眠っているさまざまな風景を呼び起こすような「幽かな香り」をひそませたブレンドティーです。
ニルギリ、ダージリン、アッサム、ケニア、ディンブラといった産地の茶葉を、飾らず味わい深い風味となるよう選んで組み上げ、ごく少量の爽やかなハーブと、瑞々しく香る花々のエッセンスを加えました。
沸騰させた熱湯で、じっくりと蒸らしてお召し上がりください。抽出時間と湯量はお好みで。やや濃い目におつくりいただき、差し湯でご調整いただくのもおすすめです。
少数生産の特別限定ブレンドとなります。ぜひ、この機会に。
タイトルの「ノヴェレッテ」(独: Novellette、英・仏: novelette)とは、短編小説を意味する語ですが、音楽用語としては、自由な形式で多彩な感じの内容を持つ小楽曲とされ、シューマンの『8つのノヴェレッテ』作品21(1838年)をもって導入されたといわれています。
これまでもフィーユ・ブルーの特別な商品には、ブレンドのコンセプトにも通じる音楽用語を由来とするネーミングを多く行ってきましたが、今回の『ノヴェレッテ』では、さらに“文芸としての短編小説”という存在への憧憬を込めたものとして、二重の意味を持たせています。
短編小説は私にとって、日々の生活において“短時間で心に栄養と休息を与えてくれる”大切な存在です。同様の効果を得ることができる「紅茶」の取り扱いを一生の仕事としたため、「喫茶」が自分の精神にもたらしてくれる自然体での恩恵=癒しの一部を、算盤勘定と引き換えに手放してしまっている現状では、短時間で純粋な気持ちのまま味わうことのできる短編小説は、まさしく心の糧と呼べるものです。
この紅茶版『ノヴェレッテ』は、安心感につながる味わい深さと、そして新たな視界の開けるときのようなワクワクする気持ちが与えてくれるもの、言い換えれば、“未来への前向きな希望”のようなものが短時間の憩いで得られるように…というテーマを根底に据えて調合したブレンドティーとなっています。
『ノヴェレッテ』…紅茶らしく、どこか紅茶らしくない、シンプルな飲み口でいて、景色の断片をたっぷりと織り込んだような何かが垣間見える一杯。お召し上がりいただいたとき、皆さまにはどのような景色や情感が心に浮かんでくるでしょうか? とても楽しみです。
今回のブレンド制作のモチベーションとなったのは、本年上梓された池澤春菜さんの作品集『わたしは孤独な星のように』(早川書房刊)の存在です。長年の茶友である池澤春菜さんによるすばらしい仕事には、改めて大きな刺激を受け、まさにこういう「短篇」の読中読後感に近しい瞬間をもたらすことができれば、という気持ちを込めました。
茶藝にも通じておられる彼女らしい一文を、表題作の中から引用させていただきます。
「急がせちゃダメだよ……茶葉がお湯に浸かって、乾燥して縮こまっていた手足を広げて、あったかさに身を委ねて、抱え込んでいた秘密を話してもいいかな、って思うまで待つんだ。茶葉の秘密が溶け込んだお湯が、お茶だよ。色のついた水じゃない」
「ノヴェレッテ」は、茶葉と共に、センニチコウやリンデン、レモンバーベナがブレンドされ、さらに、アラザンも加えられています。個包装を開けた瞬間から、ティーバッグの花びらの華やかな色合い、キラリと光るアラザンが特別なティータイムを期待させてくれます。
ティーバッグに包まれた、華やぐ楽しみを、これからの冬のシーズンにお楽しみください。
ノヴェレッテは個包装。10ティーバッグ入りボックス(上)と6ティーバッグ入りミニボックス(下)の2種類です。
内容量 | 10ティーバッグボックス:25g(2.5g×個包装10ティーバッグ) ミニボックス:15g(2.5g×個包装6ティーバッグ) |
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原材料名 | 原材料名:紅茶(インド、ケニア、スリランカ)、センニチコウ(日本)、リンデン(ブルガリア)、レモンバーベナ(パラグアイ)、アラザン(砂糖、コーンスターチ/光沢剤、着色料)(国内製造)/香料 |
箱サイズ | 10ティーバッグボックス:幅120mm×高さ120mm×奥行50mm |